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ニュースレター

更新日:2月1日

皆さん、こんにちは。

以前よりこのニュースレターでは、ChatGPTをビジネス用途に使うことのリスクを何度か指摘してきました。

 

◇過去の記事「Copilot for M365を導入してみた」(2024/3/11)

 

◇過去の記事「ソースネクストAutoMemoの自動文字起こしを使ってみた」(2024/9/3)

 

ビジネス上のお客様に関する情報などがChatGPTのAI学習に使われてしまうことにより、情報漏えい事故になってしまうことを危惧していました。

そのため、Microsoft Copilot(コパイロット=副操縦士)といったサービスを利用することにより、組織内に閉じた形で生成AI機能を利用することをお薦めしてきたわけです。

 

◇過去の記事「やっと見つけた、Copilotの最適な使い道」(2024/11/6)

 

ただ、Microsoft Copilotは、ライセンス費用がちょっと高いんですよね。

(Microsoftの標準価格で年額53,964円(税別)。デジタルビズでは少しお安く、年額49,980円(同)でご提供しています。詳しくはこちら。)

そういった中で、実はChatGPTには入力した情報をAI学習に使わせない設定ができるということを、遅まきながら最近知りまして、このChatGPTの情報漏えい対策機能を試してみましたので、今回これを紹介したいと思います。

ChatGPTのイメージ写真

ChatGPTの情報漏えい対策のため「オプトアウト設定」を

このような、ChatGPTを利用する際に入力する情報をAI学習に使わせない設定のことを「オプトアウト設定」と言います。

「オプトアウト」とは、「情報の開示等に同意しない」といった意味で使われる言葉です。

オプトアウトの設定は簡単で、設定モードのデータコントロールから、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにするだけです。

ChatGPTには、無料版の他、PlusやProといった有料版のサービスもありますが、無料版でもこのオプトアウト設定による利用は可能です。

一般的な事項をChatGPTに問いかけるときには気にする必要はありませんが、ビジネス上の情報、例えば顧客との会話の文字起こしをもとに議事録を作成させるとか、あるシナリオをもとに顧客への説明原稿を作らせるとかいう場合は、必ずこのオプトアウトの設定をしておきましょう。

AIに学習させるイメージ写真

本当にAI学習には使われていないのか

しかしこのオプトアウト設定をすることで、本当に自分の会話がAI学習に使われていないと言えるのでしょうか?

Microsoft Copilotであれば、Microsoft社にライセンス料を支払っているのですから、万一Copilotを経由した情報漏えいが発生した場合は、Microsoftに損害賠償を請求することが(理論上は)可能です。

無料版のChatGPTで、実はこっそり会話内容がAI学習に使われ、情報漏えいが発生していたとしても、利用者には分からず、損害賠償も請求できないのではないでしょうか。

この点を、ChatGPT自身に質問してみたところ、次のような趣旨の回答がありました。

・OpenAI社(ChatGPTの開発元)は、収集されたデータの取り扱いを内部ポリシーで管理しているが、利用者にはその具体的な実行状況を確認する技術的な手段は提供されていない。

・AIモデルの学習プロセスは一般的に外部から見えない「ブラックボックス」的性質があり、内部のデータ利用状況を完全に透明化するのは技術的に困難である。

・しかしながら、OpenAI社は、欧州のGDPRや米カリフォルニア州のCCPRなどのプライバシー規制の法令に従う必要があり、違反が発覚した場合には重い法的措置や罰則を受ける可能性がある。これが「こっそり利用」を防ぐ強力な抑止力となる。

・またOpenAI社は外部機関による監査を受けており、違反があれば公にされる。

・違反行為によりユーザーの信頼を失うことはOpenAI社にとって大きなリスクとなる。従って、OpenAI社が意図的にユーザーのデータを不正に利用する可能性は低いと考えられる。

納得のいく説明ですので、オプトアウト設定により会話内容が外部に流出することはないとして、利用を進めて良いものと判断できると思います。

生成AI機能を利用するイメージ写真

そうなるとMicrosoft Copilotの利用価値は?

これまでMicrosoft Copilotを活用する利便性について、このニュースレターで紹介してきました。

 

◇過去の記事「やっと見つけた、Copilotの最適な使い道」(2024/11/6)

 

オプトアウト設定した無料版のChatGPTで、Copilotと同等のことができるのかどうかは、これから検証しようと思いますが、仮に機能的に同等だとすると、ライセンス費を支払ってMicrosoft Copilotを利用する価値はあるでしょうか?

この点について、少なくとも現時点で次のようなことは言えると思います。

①   Copilotなら組織内の情報を広く検索して調べることができる

CopilotはMicrosoft365のアカウントと紐付けて利用しますので、クラウドストレージであるOneDriveやその裏側で動いているSharePoint内の情報を検索し、それをもとにした処理を行うことができます。

実際、私のOneDrive内に保存されている過去に契約したお客様の情報について、Copilotに問いかけると、OneDrive内の情報を検索し、そのありかなどについて教えてくれました。

一方、同じ質問をChatGPTにしたところ、「残念ながら、〇〇〇という会社の情報については持ち合わせていません。・・・」と回答されました。

このように、組織内の情報が膨大な場合、そこから必要なものを探し出してもらうといったケースでは、Copilotが役立つと思います。

②   Copilotなら集中的な情報漏えい対策管理が可能

ChatGPTのオプトアウト設定は、個々の利用者ごとの設定によるため、一人でも設定していないと、そこから情報漏えいが発生しかねません。

Microsoft Copilotでは管理者によるライセンス管理により、全てのライセンスがAI学習に使用しないよう設定されますので、漏れが生じるリスクが小さいと思われます。

以上のことから、一定規模の組織で利用する場合には、Copilotを利用したほうが利便性が高い場合があると言えるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。

無料版のChatGPTでもオプトアウト設定により、会話内容をAI学習に使われることなく、安全に利用できることが分かりましたので、生成AI機能としてCopilotと同等と言えるか、今後検証したいと思います。

そうした検証をもとに、どちらを利用するのが良いか、参考にしていただければと思います。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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