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執筆者の写真北島コウ

かんたんアプリ制作Microsoft PowerAppsとは

皆さん、こんにちは。

前回記事では、Microsoft Copilot(生成AIサービス)が、PowerAppsでアプリを作る際のアシスト役として、かなり役立つことをお伝えしました。

今回は、そのPowerAppsによる業務アプリ制作について解説したいと思います。

 

◇前回記事「やっと見つけた、Copilotの最適な使い道」(2024/11/6)

スマホアプリを操作する女性のイメージ写真

Microsoft PowerAppsとは

Microsoft PowerAppsとは、Power Platformというローコード開発ツール群の一つです。

「ローコード」とは、前回説明したとおり、昔のようなプログラミングのコードを「ほとんど」書かなくて良いという意味です。

Power Platformには、以前のニュースレターで紹介したRPA自動化ツールPower Automateや、データ分析ツールPowerBIなども含まれており、Microsoft365 Business StandardやBusiness Basicといった法人向けライセンスを購入すると、無料で利用できることとなっています。

 

◇以前の記事「低コストで導入できるRPAツール『PAD』とは?」(2023/10/3)

 

中小企業様のDXをご支援するに当たり、このPower Platformは非常に役立つツール群ですので、利用方法などを自己研鑽する中で、今回Copilotの効果的な活用方法を発見できたというわけです。

それでは実際にPower Appsを使って、どんなアプリが作れるのか、紹介していきましょう。

パソコンでアプリ開発をするビジネスマンのイメージ写真

データ活用の基本となるデータベース化

そもそも業務におけるデータ活用というとき、データベースを作ることが基本となります。

顧客データ、売上データ、社員データ、あるいは商品マスターや単価マスターなど、会社に存在する様々なデータをデータベースに整理して、これを使って業務を行うわけです。

そのデータベースからデータを読みだして表示したり、入力した内容をデータベースに書き込んだりするためのインターフェースとなるのが業務アプリであり、それを誰でも簡単に制作できるというのがPowerAppsの位置づけとなります。

今回、サンプル例として、営業担当者が顧客データベースから自分の担当顧客の情報をスマホアプリで読み出し、営業活動を行った結果をアプリに書き込むと、それが顧客データベースに反映される、といったものを作ってみました。

データベースとして使うツールにもいろいろありますが、ここではSharePointリストを使うこととします。

SharePointは組織内でファイル共有などを行うためのクラウドサービスですが、これにリストという機能があり、データベースを構築することができます。

SharePointリストであれば、PowerAppsの標準コネクタから接続できますので、Microsoft365のライセンスで無料使用できる範囲内で利用可能です。

Excelでは、一つのファイルを多人数で共有するとファイルが壊れてしまうことがありますが、SharePointリストでデータベース化すれば、そのような心配がありません。

サンプルアプリ制作のため、次のような架空の顧客リストをSharePointリストで作成しました。

SharePointリストによるデータベース作成

もとになるデータがExcelであれば、それをSharePointリストに読み込むことでデータベース化することもできます。

データベースでは、列ごとに、文字列(テキスト)、数値、日付などの属性を定義します。

SharePointリストは、Excelと同じように、新たな列を設けて、他の列をもとにした計算式を入れるなどといったことも可能です。

今回のアプリでは、顧客リストのデータベース以外に、営業担当者の担当者コード、氏名、パスワードを紐づけた担当者リストのデータベースも作り、この2つのデータベースの組合せにより動作させています。

 

スマホアプリの画面遷移

今回制作したスマホアプリは、次の図のようなイメージで画面遷移します。

スマホアプリの画面遷移

ログイン画面は、前回記事でもご紹介したようにパスワード入力欄の横の目のマークを押すと、パスワード文字の表示/非表示が切り替わるように作りました。

例えば担当者コード102の山田一郎さんがログインする(担当者リストのデータベースで、担当者コードとパスワードとを照合します)と、山田さんが担当する顧客のみの一覧が表示されます。

すでに完了済みの顧客も表示されると分かりづらいので、右上のトグルスイッチをONにすると、完了していない顧客のみに絞り込んで表示されます。

さらに検索窓に都道府県名や市町村名を入れて、絞り込むこともできます。

一覧表示の中から特定の顧客を選択すると、右側の顧客詳細画面に遷移します。

営業活動に進展があれば、対応状況や対応結果のドロップダウンリストを選択し、あるいは詳細状況欄に状況を書き込みます。

そして右上のチェックマークのボタンを押すと、書き込んだ内容がSharePointリストの顧客リストに反映され、更新されるわけです。

 

PowerAppsによるアプリ編集画面

PowerAppsアプリの作成は、パソコンのブラウザ上で行います。

例えば顧客詳細画面の編集は、次の図のような感じで行っています。

アプリ編集画面

アプリは、「コントロール」と呼ばれる部品を画面上に並べていくイメージです。

各コントロールにはプロパティと呼ばれる設定項目が多数あり、コントロールの大きさや位置、色などを指定する(基本的にはデフォルトで設定されていますが、自由に変更可)他、データベースのどの列の内容を表示するとか、そのコントロールがタップされるとどういう動作をするといった内容を定義していきます。

この設定の仕方が難しい場合があり、前回記事で紹介したように、Microsoft Copilotにアシストしてもらうことで、簡単に適切な設定内容にたどり着けるというわけです。

上の図は、「対応状況」に関するドロップダウンリストのコントロールを選択しているところですね。

右側のプロパティパネルを見ると、Defaultというプロパティに次の数式が設定されています。

 

If(IsBlank(ThisItem.対応状況), "未対応", ThisItem.対応状況)

 

この数式の意味は、ドロップダウンリストの初期値として、もし選択されているアイテム(顧客)に関するデータベースの「対応状況」列の値が空白(Blank)だったなら「未対応」に設定し、それ以外だったなら入っている値に設定する、ということを表しています。

また、Itemsというプロパティには、次のように設定されています。

 

["未対応","対応中","完了済"]

 

この意味は、ドロップダウンリストの選択肢を「未対応」「対応中」「完了済」とすることを表しています。

これらの設定内容は、いずれもCopilotが教えてくれたものです。

DefaultプロパティのIf文を使った数式などは、構文は異なりますがExcelの数式に近いので、理解しやすいのではないでしょうか。

このようにCopilotにアシストしてもらいながら、一つひとつのコントロールを設定していくことにより、自分のイメージ通りに動作するアプリを比較的簡単に作ることができるというわけです。

上で紹介したのは、各営業担当者が使用するスマホアプリですが、本部側の社員が使用するパソコン用アプリもPowerAppsで作成可能です。

顧客リストを追加したり、顧客に営業担当者を割り当てたり、本部側からの注意事項を記入したりするイメージですね。

このようなアプリを外注することなく、内製で作れるのは、中小企業様のDXにとって大きな武器になるものと言えるのではないでしょうか。

ぜひこういったDXの取組みにチャレンジしていただきたいのと同時に、ご支援を希望される場合は、お気軽にご相談いただければと思います。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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