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執筆者の写真北島コウ

やっと見つけた、Copilotの最適な使い道

皆さん、こんにちは。

以前から紹介しているMicrosoftの生成AI機能Copilot(「副操縦士」の意味)。

Microsoftが、ChatGPTの開発元であるOpenAI社に出資し、Microsoft製品内に組み込んでいる機能です。

ライセンス購入後、Teams会議の要約などでは役立っているものの、それ以外ではいまいち使いあぐねていたのですが、最近「これは便利だ!」と感嘆する、Copilotの最適な使い道が見つかりましたので、今回はそれを紹介したいと思います。

それは、Microsoft PowerAppsを使ったアプリ制作のアシスタントです。

 

◇過去の記事「Copilotはまだ成長途上」(2024/8/21)

Microsoft365 Copilotのホームページから
Microsoft365 Copilotのホームページから

Microsoft PowerAppsとは

PowerApps(「パワーアップス」と読みます)とは、Microsoft PowerPlatformの中の機能の一つで、パソコンやスマートフォンで利用可能な業務アプリなどを、ローコードで簡単に作成することができます。

ExcelやWordなどOfficeソフトが統合されたMicrosoft365 Business StandardやBusiness Basicなどの法人用ライセンスを購入すると、無料で利用できますので、これを使いこなせれば、組織内でのデータを活用した生産性の向上や業務改善に大いに役立つと思います。

ローコードというのは、昔のようなプログラミングのコードを「ほとんど」書かなくて良いという意味です。

以前の記事で紹介した、ホームページ制作ツールWixは「ノーコード」、つまり全くコードを書かなくても良いのに対し、ローコードツールでは、各パーツのプロパティと言われる部分に数式的なものを少し書く必要があります。

 

◇過去の記事「ホームページ制作ツールWixの実際」(2024/8/12)

 

とは言っても、PowerAppsのコードはExcelの関数を使った数式に近い内容ですので、Excelを使ったことがある人なら理解しやすいと思います。

PowerAppsを使ったアプリ制作については、別の機会に詳しく説明したいと思いますが、今回言いたいのは、そのコード(数式)をどのプロパティにどのように書けば良いか分からない場合にCopilotが適切にアシストしてくれて、とても役立つことに気付いたということです。

Microsoft Copilotが作成してくれたイラスト(生成AIのアシストを受けながらアプリ開発をしている男性)
Microsoft Copilotが作成してくれたイラスト(生成AIのアシストを受けながらアプリ開発をしている男性)

PowerAppsアプリの制作をCopilotがアシスト

アプリを作るに当たっては、まずこんなアプリを作って、このように使いたいというイメージを決めるはずです。

例えば会社内で使うアプリの場合、まずログイン画面を作って、社員コードとパスワードを入力させ、社員ごとのデータの出し分けをすることなどが考えられます。

PowerAppsでのログイン画面の作り方については解説しているWebサイトもあるのですが、パスワード入力の際に、他人に盗み見られることの無いよう、「・・・・」のように文字を非表示にできるか、またその方法について解説している記事はググっても見つけられませんでした。

そこで、次のようにCopilotに質問してみました。

PowerAppsでログイン画面を作り、パスワード入力欄「TextInput_PW」にパスワードを入力する際、入力した文字を「・・・・」のように表示させることはできますか? どのプロパティにどのように設定すれば良いか教えて下さい。

 

すると、Copilotは次のように回答してくれました。

 

はい、PowerAppsでパスワード入力欄に入力した文字を「・・・・」のように表示させることは可能です。これを実現するためには、TextInputコントロールのModeプロパティをPasswordに設定します。 具体的な手順は以下の通りです・・・

 

そしてこの通り設定すると、パスワードは「・・・・」と表示されました。

テキスト入力欄のパラメータとして、ちゃんとパスワード用に文字を非表示とするモードが用意されていたんですね。

さらに、パスワード入力欄の横に目のアイコンを設置して、これをタップすると、入力したパスワードが表示されたり「・・・・」になったりと切り替わるのをよく見かけますが、ああいった芸当もできないのか、質問してみました。

 

PowerAppsでログイン画面を作り、パスワード入力欄のModeプロパティをPasswordにすることで、入力内容を「・・・」のように表示しました。このとき、パスワード入力欄に目のマークが付いていて、それを押すと実際に入力したパスワードが表示されたり、また押すと「・・・」に切り替わったりするようなことはできませんか?

 

Copilotに質問する際は、このように具体的に丁寧に質問することが大切です。

するとCopilotは次のように回答してくれました。

 

PowerAppsでパスワード入力欄に目のマークを追加し、パスワードの表示・非表示を切り替える機能を実装することは可能です。以下の手順で設定できます・・・

 

そして教えてくれた設定方法が、次の図のとおりです。


Microsoft Copilotがアシストしてくれたプロパティ設定方法の説明図

ようやく見つけた、Copilotの最適な使い道

先ほどはパスワード入力欄のModeプロパティを固定的に設定していましたが、If文で場合分けして、TextモードとPasswordモードに切り替えるようにしたんですね。

よく見かける、目のアイコンを押すことによるパスワードの表示/非表示の切替えを、PowerAppsで実現することができました。

ちなみにMicrosoftは、Microsoft Learnという学習用コンテンツを用意していますが、先ほどのパスワード入力欄のModeプロパティの設定については、次のような説明が一文載っているだけです。

 

Mode – コントロールのモードは、SingleLine、MultiLine、または Password です。

 

これじゃ何のことやら、さっぱり分かりませんよね!

以上の例でお分かりのように、解説書籍やWebサイトにはアプリの作成例が載ってはいるものの、自分が作りたいアプリがその内容だけで足りるとは限らず、自分が作りたいイメージを実現できるやり方を探し出そうとするとかなり骨が折れるわけです。

そんなとき、Copilotに質問を投げかければ、ピッタリの方法を即座に教えてくれるということです。

これはすごく便利だし、制作作業の効率が上がると実感しました。

一般的なことについての質問では、有象無象のネット情報をもとにするため不正確な回答をしてくることもあるCopilotですが、PowerAppsに関する質問ならMicrosoftの最新仕様に基づいて答えを探してくるため、回答の信頼度が高いように思われます。

カスタマサポートなどに問い合わせるのと違い、時間もかからず、たちまち答えが出るのもありがたいです。

とは言え、Copilotも完璧というわけではなく、Copilotの言うとおり設定してもエラーが出る場合もありますが、その場合は出たエラーの内容を問いかけてやると、修正案を提示してくれたりもします。

Microsoft CopilotはPowerAppsを使った生産性向上の救世主となり得るのではないでしょうか。

次回は、PowerAppsを使った業務アプリ作成例について紹介したいと思います。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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