皆さん、こんにちは。
以前の記事で、ChatGPTはとても便利ですが、ビジネスに使うのは顧客情報等が漏えいしてしまうリスクがあるため、Microsoft Copilot(コパイロット=副操縦士の意味)のようにセキュアなサービスを利用すべきで、実際にCopilot for Microsoft365のライセンスを購入して使ってみたことをお知らせしました。
◇過去の記事「Copilot for M365を使ってみた」(2024/3/19)
しかしながら実際に使ってみると、まだよく分からない点が多く、十分にCopilotの機能を使いこなせているとは言えません。
今回は、Copilotの使い方で不明だった点をMicrosoftのサポートに問い合わせ、いろいろやり取りした結果、ようやく使い方が分かったことについて紹介したいと思います。
PowerPointスライドの自動作成
例えばCopilotでは、Wordで作ったアウトラインの文章から、PowerPointのプレゼンスライドを自動的に作成することができます。
まず前提として、アウトラインを記述したWordのファイルは、同じアカウントのクラウドストレージOneDrive内に格納されている必要があります。
PowerPointから、ツールバーの右端にあるCopilotボタンを押すと、右側にCopilotのサイドパネルが開きます。
ここで「ファイルからプレゼンテーションを作成」を選び、下のボックスで、スラッシュ(/)の後にOneDrive内のWordファイル名を指定してやると、PowerPointがファイルを参照し、スライドの作成を開始してくれます。
Wordで8ページ、約9,000文字の文書ファイルからスライドを生成させてみたところ、1分ほどで30枚のスライドを自動的に作成してくれました。
なかなかやりますね!
ただし、これは文章から単純にスライド化しただけなので、正直、このままプレゼンに使うというわけにはいかず、かなり手を加える必要があります。
私はプレゼンのスライド作成は得意だし、早いので、Copilotが作ったものを修正するぐらいなら、最初から自分で作ったほうが早いという気がします。
プレゼン資料の発表原稿を自動作成する
むしろ私が以前から困っていたのは、プレゼン資料から発表用の原稿を作成することでした。
私はつい話が長くなってしまいがちなので、重要なプレゼンのときは、冗長にならないよう、しっかり発表原稿を作った上で時間を測って練習し、時間オーバーせず簡潔に説明できるよう準備することにしています。
ただ、この発表原稿の作成が、めちゃくちゃ時間がかかり面倒臭いので、いつも何とかならないかと思っていました。
今回、Copilotを導入したことで、PowerPointのプレゼン資料から発表原稿を作成してみることにしました。
ところが、先ほどと同様に、Wordのツールバー上のCopilotボタンからサイドパネルを開き、PowerPointのファイルを指定するのですが、「申し訳ありませんが、指定されたファイル『〇〇〇.pptx』の内容を見つけることができませんでした。」というメッセージが出てしまい、ファイルが参照できないのです。
困ったあげく、Microsoftのサポートにヘルプを依頼しました。
どうもMicrosoftサポート側も、Copilotの対応には慣れていないのか、状況の把握にかなり時間がかかりました。
ファイルが同一アカウントのOneDrive内に格納されているかどうかの確認や、WordやPowerPointからCopilotが起動できているかの確認など、いろいろやり取りを行った結果、次のような方法でWordからPowerPointのファイルを参照して発表原稿が作れることが分かりました。
Wordからの場合は、ツールバー上のCopilotボタンではなく、文書フィールド上の「Copilotを使って下書き」ボタンから始めるそうなのです。
分かりづらいですね!
結果としてファイルは参照できたものの、なぜ同じ操作方法でできないのか、ユーザインタフェースを統一し、分かりやすくして欲しいと改善を要望しておきました。
これでようやくPowerPointスライドをもとに、発表原稿の「下書き」はCopilotが作ってくれるようになりましたが、プレゼンスライドの自動生成と同様、Copilotがやってくれるのは、スライド上の字面(じづら)をもとに文章を作成することだけです。
字面を説明するだけならスライドを読んでもらえば良いのであって、実際の発表ではスライドに書いていない行間の内容も含めて説明する必要があり、それは当然Copilotには作れません。
Copilotが作れるのはあくまで発表原稿の「下書き」であって、それをもとに説明不要な部分を省略したり、行間の内容を肉付けしたりしなければならないことは言うまでもありません。
ですが、これまでスライドの字面を単純に原稿化すること自体がとても面倒でしたので、それをCopilotがやってくれるだけでも、大変助かると言えます。
Copilotが読み取れる文字数の制限
ただしここでもまだ課題がありました。
6ページほどのスライドの資料は問題なく発表原稿を作成してくれましたが、30ページのスライドから作成させたところ、原稿が途中で尻切れトンボになってしまったのです。
どうやらCopilotが読み取れるファイルの文字数に制限があるようです。
こちらのCopilot Labにそのような記載がありました。
「約80,000語以下」との記載がありますが、私がやってみた感じでは、PowerPointスライドだと6~7ページを超えると認識できなくなるように思えます。
それ以上に長いドキュメントは分割せよとのことですので、当面はそのように対処するしかなさそうです。
ただ、30ページのスライドは、決して長くはありませんよね。
30ページ程度であれば、一発で認識して原稿を作ってくれるよう、今後の成長に期待したいです。
なお、本当は発表原稿をWordに作成するのでなく、PowerPointのノート上に作成してくれるのが一番望ましいのですが、PowerPointのCopilotで試しましたが出来ませんでした。
これも何か別の方法があるのかもしれないので、引き続き探求したいと思います。
Copilotはまだ成長途上
このように、Copilotはまだ成長途上と言えます。
できることも限られていますし、使い方も直観的とはいかず、まだまだ改善の余地があります。
ですが言い換えれば、そのような成長途上にあるCopilotを今から使い込んでいくことが、習熟への近道と言えるのではないでしょうか。
私は今後、生成AIがビジネスのあり方を大きく変えていくことは間違いないと思っていますので、まだ未熟なCopilotでも今から使い慣れていき、そして今回の発表原稿作成のように、これまで自分が困っていたことをCopilotを使って解決する方法を見つけていきたいと考えています。
それでは今回はこの辺で。
宜しくお願い致します。
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