Eメール環境をExchange Onlineに移行してみた
- 北島コウ

- 1 日前
- 読了時間: 5分
皆さん、こんにちは。
私は個人事業主を開業するよりずっと前の2022年5月に、digitalbiz.jpというドメインをお名前.com(GMOインターネット)で取得し、その後2023年1月にお名前メールスタンダードプランを契約して、独自ドメインのEメールを開設しました(ちなみに個人事業主の開業は、2023年7月1日付けです)。
開設当時のお名前メールサービスの料金は年額1,260円(税込)でした。
ところがその後、料金がどんどん値上がりし、今年9月1日付けの改訂では年額3,432円(同)と、わずか2年半で実に2.7倍を超える額となり、次回の契約更新時(来年1月)から適用されることとなりました。
一方で、私はMicrosoft365 Business Standardのライセンスも保有しており、ここにはExchange Onlineも含まれるので、Eメール環境を構築することが可能です。
Eメールはビジネス上の基本的ツールですが、今回思い切ってExchange Onlineへメール環境を移行し、お名前メールを解約することにチャレンジしてみましたので、それについて紹介したいと思います。
結果として、ChatGPTなど生成AIのアドバイスを受けながら作業を進めることで、おおむね無事に移行を行うことができました。

お名前メールとExchange Onlineとの仕様の違い
まず事前に、現状お名前メールでの利用方法がExchange Onlineに移行することによって、変わる点があるかどうかを確認しました。
お名前メールスタンダードプランでは、digitalbiz.jpという独自ドメインの前のアカウントを幾つでも作ることができ、私は3つのアカウントを使い分けていました。
デジタルビズとしてのメールアドレス(kitajima@digitalbiz.jp)、行政書士北島コウ事務所としてのアドレス(gyoseisyoshi.kitajima@digitalbiz.jp)、そしてメルマガ等の配信用のアドレス(info@digitalbiz.jp)を使い分けるためです。
Exchange Onlineになると、基本的なアドレス(メールボックス)は一つしか持つことができません。
しかしながら「共有メールボックス」を別に持つことができるので、これをうまく使う必要があります。
個人メールボックスと共有メールボックスはいずれも容量50ギガバイトですが、個人メールボックスはそれを超えるとアーカイブとして残すことができるのに対し、共有メールボックスはアーカイブできないという違いがあります。
そもそも個人メールボックスと共有メールボックスは、個人メールボックスがMicrosoft365のユーザーアカウントに紐づいているのに対し、共有メールボックスは組織内の複数ユーザーで共有するためのもので、目的が違いますが、単純に複数アカウントとして使い分けるためにも利用できるというわけです。
ちなみに複数アカウントを併用する別の方法として、エイリアス設定という方法もあるのですが、いろいろ調べた結果、共有メールボックスを設定して分けたほうが良さそうだという結論に至りましたので、ここではその内容で話を進めていきます。
私の場合はデジタルビズのアドレスがメインなので、これを個人メールボックスに設定し、行政書士用とinfoはそれほど多くの容量を必要としないので、これらを共有メールボックスとして設定することで、お名前メールの環境を移行できそうだと分かりました。
また私は、Gメールのアカウントからお名前メールのメールサーバー(POP/SMTP)に接続して使っており、過去のメールは全てGメール側に複製されているので、お名前メールを解約しても、Gメールで過去のメールを全て見えるので問題ないことも確認できました。
以上で、移行しても特に問題は無さそうだと確認できました。

Exchange Onlineに移行するに当たってのDNS設定変更
さていよいよ移行作業を進めていきます。
まずMicrosoft365管理センターおよびExchange管理センターに管理者としてサインインし、メールボックスの設定(個人メールボックスおよび共有メールボックス)を行います。
次に、Eメール環境の移行に当たって最も注意すべきポイントとして、DNS設定の変更が必要です。
以前のニュースレター記事で、私がWixのDNSを使用していること、そしてGoogle等がなりすましメール対策を強化していることにより、DNSにきちんと設定を入れておかないと、メールが相手に届かなかったり、迷惑メールに分類されたりすることを紹介しました。
(DNSについては、下記の記事をご覧下さい。)
◇過去の記事「Gmail宛てにメールが送信できないトラブルの解決」(2023/8/14)
◇過去の記事「Gmailの新たな迷惑メール対策ガイドライン」(2024/2/13)
これまではお名前メールから送信するメールが迷惑メールではないという設定でしたが、Exchange Onlineへの変更により、Exchange Onlineからの送信が怪しくないという設定を、正しくWix DNSに入れてやる必要があります。
具体的には、DNS内のTXTレコードというところに、SPF(Sender Policy Flamework)とかDMARCといった設定をします。
2023年にGメール宛てにメールが送信できないトラブルが発生した際には、お名前.comやWixのサポートにも問合せたりしながら、苦労して何とか設定しましたが、今はChatGPTなどの生成AIに設定方法を問いかけると、即座に詳しく答えてくれます。
全く便利になったものですね。
ちなみにDNSの設定は、万一何かあった際には切り戻しが必要となりますので、元の設定値を必ず控えておくようにしましょう。

Exchange Onlineへの切替えは完了
DNS内の設定では他にもCNAMEレコードなどの変更があり、これもChatGPTが教えてくれるとおりに設定すれば問題ありません。
私の場合はWixのDNSの変更ですが、それぞれ使用しているDNS、基本的にはドメイン管理元のDNSを使っていることが多いと思いますので、そちらを変更することになると思います。
最後に、MXレコードを修正すると、これでお名前メールからExchange Onlineへの切替えが完了し、Exchange側でメールの送受信が始まります。
DNSの変更内容がインターネットに伝播するのに少し時間がかかる(最大1時間程度)場合がありますが、これで切替えは完了となります。
この後、安定的に稼働するかどうか様子を見た上で、お名前メールのほうは、来年1月の契約更新時までに解約すれば良いということになります。
と、ここまでは割とすんなり進んだのですが、実はこの後、メールソフトOutlookの設定にかなり手こずりました。
そのことは、次回に紹介したいと思います。
では、宜しくお願い致します。
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