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タッチ決済とおサイフケータイ

執筆者の写真: 北島コウ北島コウ

更新日:1月13日

皆さん、こんにちは。

最近、VISAタッチなどのようにタッチ式で決済できるサービスが増えてきましたよね。

私は24時間利用可能なスポーツジムに通っていますが、そこの入館のためのセキュリティキーもスマートフォンをかざす仕組みになりました。

今回は、こうしたタッチ決済の仕組みについて解説したいと思います。

VISAタッチとモバイルSuicaのイメージ写真

タッチ決済を支えるNFC規格

上に挙げたタッチ決済の仕組みは、NFC(Near Field Communication)、近距離無線通信という技術を使っています。

これは国際標準化された規格になっており、幾つかの種類があります。

クレジットカードなどの他、マイナンバーカードやパスポート、またタバコを購入する際のTaspoなどは、NFCのType-AまたはType-Bという規格を使っています。

だいたい数センチほどの距離に近づけることにより通信が可能となり、認証確認を行うとともに会員情報などの送受信を1秒程度で行うという仕組みです。

ちなみにNFC Type-Aは伊フィリップスが開発した技術、Type-Bは米モトローラが開発した技術だそうです。

クレジットカードなどのICチップに内蔵される他、スマートフォンにも実装可能なので、Google PayやApple Payといったアプリ内にクレジットカードや会員カードなどを登録して、スマートフォンをかざすことにより利用できるわけです。

NFCのType-A/BはVISAタッチやMasterCardコンタクトレスといった国際ブランドカードで採用されていることもあり、主要メーカーのスマートフォンには、海外版も含めて標準実装されるようになっています。

スマートフォンに内蔵されたタッチ決済のイメージ写真

日本発祥のFeliCa(NFC Type-F)

タッチ決済と言えば、もう一つ、私たちになじみが深いのは、SuicaやPASMOといった、いわゆる交通系ICカードの仕組みですね。

楽天Edyやnanako、WAON、iDといった電子マネーにも利用されており、これらは日本のソニーが開発した非接触型IC技術であるFeliCa(フェリカ)を使っています。

FeliCaも、近距離無線通信方式NFCのType-Fとして規格化されています。

FeliCaは、1999年にソニーが電子マネーEdyの実験を大崎で行い、翌2000年にJR東日本が自動改札システムへの採用を決定、2001年からSuicaサービスが開始されました。

FeliCaの特徴は、高速な通信性能にあります。

NFC Type-A/Bが424キロビット毎秒なのに対し、FeliCaは847キロビット毎秒という2倍の通信速度で、約0.1秒での処理が可能です。

1日平均約270万人、世界一の乗降客数の新宿駅。

膨大な乗客が行う瞬時の改札処理を支えているのが、FeliCaの高速通信技術というわけです。

VISAタッチとSuicaでは、明らかに処理スピードが違うのは体感的にも分かりますよね。

さすが、高い技術力を誇るソニーならではだと思います。

2004年にはNTTドコモが、当時のiモード携帯電話、今で言うガラケーにFeliCaチップを搭載し、「おサイフケータイ」としてサービスを開始しました。

「おサイフケータイ」はNTTドコモの登録商標となっています。

そして2016年にはAppleが日本市場向けiPhone7シリーズに初めてFeliCaチップを搭載、iPhone8シリーズ以降は海外版も含めて全ての機種にFeliCaを内蔵しているそうです。

Suicaによる自動改札のイメージ写真

「おサイフケータイ」の今後は?

しかし残念ながら、国際標準化競争においてFeliCaはType-A/Bに対して劣後しており、Android系スマートフォンでは、日本市場向け以外ではNFC Type-Fを実装したものは少ないようです。

かつての「キャリアメール」とか「ワンセグ」とか、日本の携帯電話・スマートフォンに入っていた独自機能はどんどん消えていってしまい、FeliCaはその最後の一つのようにも思えます。

とは言え、いまやJR以外の私鉄系やバスなども含めた交通系キャッシュレス決済には、高性能なFeliCa技術は欠かせません。

何でも海外製サービスが席巻している昨今、日本発祥の技術として存在感を発揮し、海外向けにも広がっていってもらいたいところです。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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