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ドローンでの5G通信利用の課題とは

皆さん、こんにちは。

少し前になりますが、1月29日の日経新聞に、ドローンで5Gの周波数を使った通信の利用が検討されているという記事が出ていましたので、今回はこれを解説したいと思います。

 

日本経済新聞「ドローン5G利用解禁 24年度 高精細な映像、災害時活用」(2024/1/29)※全文を読むには無料会員登録が必要です。


飛行するドローンのイメージ写真

ドローンでの5G通信利用に向けた技術検討

もともと携帯電話のエリアは、地上にいる人が利用することを前提にしているため、ビルの屋上や鉄塔に設置された基地局は地上に向けて下向きに電波を吹き、地上の端末との間で最も高品質で安定的に通信が行えるようになっています。

2018年ごろから高性能なドローンが登場し、例えば高精細カメラを搭載して空撮するとか、施設の点検調査に使用するといったニーズが生まれたため、上空での利用に関して総務省にて技術検討が進められてきました。

過去、実際に通信事業者で4G-LTEなどのエリア構築業務に携わった私の感覚からすると、4G-LTEや5Gで使用されているOFDMA(直交周波数分割多元接続)という通信方式は、異なる基地局や端末が発する電波の干渉により通信品質が著しく劣化する性質があるため、上空のドローンが端末として電波を吹けば、干渉波だらけになってしまい、俗に言う「エリアを汚す」というイメージでした。

総務省 情報通信技術分科会の技術検討では、この点について実験やシミュレーションを重ねた結果、FDD(周波数分割多重)方式を前提として、ドローンが搭載する通信端末が特別な送信電力制御を行うことにより、電波干渉をある程度回避できるとして、2020年12月から上空での利用が解禁され、4G-LTEで使用する800MHz/900MHz帯および1.7/2GHz帯の周波数(FDD方式)については、実用化されてきました。

しかしこの周波数帯で各通信事業者に割り当てられている帯域幅は20MHz程度の比較的狭いバンド幅のため、高いスループット(通信速度)を出すことができません(せいぜい数十メガビット毎秒程度)。

例えばドローンに4Kカメラを搭載して、超高精細画像を伝送したいとなると、さらにもう一段高いスループットが求められることになります。

そこで、5Gで使用されている、いわゆる「サブ6」と呼ばれる3.5GHz~4.5GHz帯の利用についても24年度中に実用化を図るよう検討が進められているというのが、冒頭の日経記事の意味合いとなります。


ドローンの5G利用によるユースケース(第169回総務省情報通信技術分科会資料から)
ドローンの5G利用によるユースケース(第169回総務省情報通信技術分科会資料から)

この帯域だと、各通信事業者には100MHz幅といった広いバンド幅が割り当てられていますので、一桁高いスループット(数百メガビット毎秒)が期待できるかもしれません。

ただし、5Gで使用している高い周波数帯では、FDDではないTDD(時分割多重)方式となり、上り/下りを同一周波数で時間分割して多重する方式なので、長距離で電波が飛来した際の干渉影響など、さらなる技術検討が必要になるものと思われます。


ドローン物流のイメージ写真

広がるドローンの活用シーン

ドローンの活用ニーズについては、大きく拡大しています。

特にトラック運転手や建設業などでも残業時間の上限規制が今年4月から始まることにより、いわゆる「2024年問題」として物流などに大きな人手不足が生まれることが問題となっており、これを解消するための対策として、ドローンの活用が注目されているのです。

 

日本経済新聞「2024年問題、ドローンやDXで挑む 人手不足を緩和」(2024/2/4)※全文を読むには無料会員登録が必要です。

 

私の知り合いでドローン事業を展開していらっしゃる方は、以前に私自身も関わった愛媛県今治市でのプロジェクトを契機に、イノシシなどの夜行性動物の生態を赤外線カメラ搭載ドローンで調査し、捕獲・駆除に役立てるといったことに取り組まれています。

 

赤外線ドローンによる野生動物観察会(DRONE PILOT AGENCY上野豪代表のXより)

 

ドローンの可能性、広がりますね!

飛行技術も、GPSなどを利用し、人間が操縦しなくても、自律的に飛行する目視外飛行性能も飛躍的に向上しているようです。

人口減少や高齢化に悩む過疎地域では、ドローンによる配送なども、今後実用化が進んでいくでしょう。

ドローンでの5G通信利用が実用化されることで、様々なニーズに対応できる領域がさらに広がることが期待できるものと思います。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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