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ビジネスにLINEを使うリスクとは

更新日:5月2日

皆さん、こんにちは。

日本のメッセンジャーアプリとして不動の地位を保っているLINE。

利用者数は9,500万人を超え、日本人口の80%以上が使っているそうです。

もちろん、私も使っています。

が、最近、LINEに関して心配なニュースが報じられていますので、今日はこれを取り上げたいと思います。


LINEのホームページから引用したイメージ画像
LINEのホームページから

度重なる情報漏えい事故

LINEの運営会社であるLINEヤフー株式会社は、今年3月5日、総務省より行政指導を受けました。

システムのメンテナンスを委託していた会社がマルウェア被害を受けたことに伴い、LINEのサーバーが不正アクセスを受け、約50万件を超える情報漏えい事故が発生したのです。

漏えい情報の中には、通信の秘密に該当するものも2万件以上含まれていたそうです。

 

◇NHK「LINEヤフー情報漏えい問題 総務省 経営体制に踏み込む行政指導」(2024/3/5)

 

LINEはもともと韓国のインターネットサービス企業ネイバーの日本法人NHN Japanが提供していましたが、2021年にYahoo! Japanと経営統合し、現在はLINEヤフー株式会社により運営されています。

LINEヤフーに6割超を出資する中間持株会社のAホールディングスに対して、大手通信事業者ソフトバンクと韓国ネイバーとが50%ずつ出資するという資本構成になっており、いまなお実質的に韓国ネイバーの強い影響下にあるというのが実態です。

今回の情報漏えいは、その韓国ネイバーのプラットフォームNaver Cloudのメンテナンス委託先がマルウェアに感染し、そこからNaver Cloud経由でLINE環境への不正アクセスを許したという原因だそうです。

Naver Cloudの管理体制が甘いにも関わらず、そこに依存せざるを得ない状態に根本的な原因があると見て、資本関係のあり方も見直すべきという異例の指導内容となったようです。

行政指導には法的拘束力は無いとは言え、ここまで総務省が強い指導を行った背景には、不祥事が今回だけに留まらないという経緯があります。

2021年3月にも、利用者の個人情報が中国の業務委託先から自由に閲覧できる状態になっていたとして、経営統合前の旧LINEに対して行政指導が行われていました。

このときに、アクセス管理の徹底など安全管理措置の改善を約束していたにも関わらず、今回またも同様の事態が繰り返されており、総務省としても相当な苛立ちを感じているようです。

国民のコミュニケーションインフラになっていることに、もっと自覚を持ってもらいたいものです。


個人情報漏えいのイメージ写真

LINEを使うリスクを理解して分散対策を

このようにLINEにはリスクがあるということです。

別に韓国だからとか言っているわけではなく、LINEに限らず、一つのものに頼り過ぎるのは良くないということです。

それがコケたら、みなコケることになります。

自治体サービスにまでLINEを使うというのはどうなんでしょうか。

便利なことは認めますが、国民の情報を保護する観点からすると、このような不祥事が多発していることを考えると、個人的には別の方法を用いるべきように思います。

私たちが利用する場合においても、家族や友人間の手軽なコミュニケーション手段として利用するのは良いとしても(それでも個人情報が漏えいすることはもちろん許されませんが)、仕事における従業員間の業務連絡や顧客との連絡手段にまでLINEを使っていないでしょうか。

万一の場合を考え、LINEを使うリスクを正しく理解して、リスクヘッジをはかることが必要だと思います。


スマートフォンでメッセージアプリを使うイメージ写真

LINEに代わるものとは

では、LINEに代えて、何を使えばいいのか。

これがなかなか難しいところですね。

ビジネス用途で言えば、楽天モバイル以外の3キャリア利用者(系列のサブブランドやMVNOを含む)なら、「+メッセージ」が一つの候補ではないでしょうか。

 

◇NTTドコモの+メッセージ紹介サイト


3キャリアから提供されている+メッセージ
3キャリアから提供されている+メッセージ

IPプロトコル上で提供されるマルチメディアメッセージングサービスの国際規格「リッチコミュニケーションサービス(RCS)」に準拠し、各通信事業者がシステムを作っています。

電話番号がキーになっていて、通信事業者の枠を越えてやり取りできます。

写真や動画などのファイルも送れ、1通当たりのメッセージ送信料などはかかりません(ただし楽天モバイルのみは+メッセージ非対応のため、楽天モバイル宛ての送信には1通当たり税込3.3円かかるようです)。

複数人でグループも作れますし、スタンプ機能もあります。

まあLINEのようなかわいらしさはありませんが、機能面ではLINEとほぼ同等のことができますので、少なくともビジネスでの利用なら「+メッセージ」で十分ではないでしょうか。

私も、LINEほどの頻度ではないですが使っており、とりあえずはこれをお勧めしたいです。

会社の従業員間などのやり取りなら、Chatworkとか、Microsoft Teamsを使うといった選択肢もあります。

 

◇Chatwork

 

◇Microsoft Teams

 

日本ではLINEのシェアが極めて高いですが、海外ではWhatsAppとか、Facebook Messengerなどがよく使われているようですね。

 

◇WhatsApp

 

LINEヤフーは、日本のメッセンジャーアプリのデファクトスタンダードになっているという立場にあぐらをかいているかもしれないですね。

みんなが少し別のサービスを使って慌てるように仕向けないと、改善が図られないかもしれません。

こういうところに市場競争原理を働かせたいですね。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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