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スマホから直接衛星通信するサービスとは

更新日:6月4日

皆さん、こんにちは。

以前に、「宇宙通信、ここまで来た!」という記事の中で、スマートフォンで直接衛星通信ができるサービスが計画されていることを書き、米クアルコムが「Snapdragon Satellite」というプロジェクトで、イリジウム衛星を使い、普通のAndroidスマホで双方向通信サービスを2023年後半から提供開始する計画であることを紹介しました。

しかし残念ながら、つい最近になって、この計画は頓挫したもようです。


◇過去の記事「宇宙通信、ここまで来た!」(2023/7/18)


◇ケータイWatch「クアルコムがイリジウムと提携解消、Androidの衛星通信」(2023/11/13)


クアルコムは、長らく携帯電話やスマートフォンの中枢機能となる半導体チップセットを製造してきた、電気通信業界では超有名な米国企業です。

パソコンにおけるインテル、携帯電話におけるクアルコム、というイメージですね。

そのクアルコムは、このプロジェクトのために、「Snapdragon Mobile Platforms」というチップセットを開発してきたのですが、それがスマートフォンメーカーに採用が進まず、イリジウム社に対して契約終了を通知してきたということのようです。

いよいよ日本でも、スマホで直接衛星通信できる時代が来るかと期待していたのですが、残念です。

地球を周回する人工衛星のイメージ

スマホから直接衛星通信のニーズ

なぜこのニュースに気付いたかというと、私は農林水産省のある会にデジタルビズとして加入しているのですが、通信事業者の携帯電話サービスエリア外の不感地帯で農作業事故等が発生した場合の緊急通信手段が何かないかと問合わせがあったのです。

恐らく最近各地で頻発するクマ被害等もあってのことかと思われます。

この問合せに対して、スマホ衛星通信サービスがまさにピッタリじゃないかと思い、たしか今年後半からと言っていたのはどうなったのかと調べたところ、前述のニュース記事を見つけてガッカリしたというわけです。

ニュースレターの記事でも書いたとおり、スマホ衛星通信では高品質・広帯域なサービスはそもそも期待できませんが、例えば何か緊急ボタンの付いた端末でも作ってスマホに接続しておき、事故発生時にはボタンを押せば、緊急アラートと位置情報(GPS座標)だけでも発報できるようにしておけば良いと思います。

山奥に限らず、海上を含め、地球上のどこでも利用できるとなれば、ニーズは非常に高いのではないでしょうか。

「熊出没注意」の標識
今年各地で頻発するクマ被害は過去最悪のペースだそうです

イリジウム衛星通信サービスとは

クアルコムのサービスで利用を予定していたイリジウム衛星通信サービスは、1998年より提供されているサービスで、上空780kmを周回する66機の衛星で通信します。

ちなみに、「イリジウム」という名称は、もともと77機の衛星を飛ばす予定だったため、元素番号77のイリジウムになぞらえて付けられたものですが、その後計画見直しにより66機になったという経緯があります。

災害対策などのいわゆるBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)用途のために、行政機関などにもイリジウム携帯電話が配備されていることが多いと思います。

イリジウム端末の写真
イリジウム端末

◇KDDI広報誌Time & Space「基地局は人工衛星! 世界でつながるイリジウム携帯が活躍する意外なシーンとは」(2019/4/23)


私も管理職時代、大規模災害発生時に備えて、イリジウム携帯電話を持たされていたことがあります。

テストで使ってみたところ、周回するイリジウム衛星を捕捉するためには、わりと上空が開けた場所でないと通信できず、通話品質もあまり良くなかった記憶があります。

クアルコムの計画は頓挫しましたが、イリジウム社としてはあきらめずに実現に向けて進めたいと意欲を持っているようで、実現した暁にどのようなサービスとなるのか、興味があります。

宇宙を周回する人工衛星のイラスト

国内キャリアで進むサービス計画

一方、日本の国内キャリアでは、KDDIがスペースXと共同でスマホから直接衛星通信を利用できるサービスを、2024年中を目途に開始する予定と発表しています。


◇KDDIニュースリリース「KDDIとスペースX、衛星とスマホの直接通信サービスを提供」(2023/8/30)


スペースXが飛ばしているスターリンクの衛星は、上空300~600kmとイリジウムよりさらに低軌道な上、3,000機以上と桁違いの数ですので、イリジウムより高速で高品質なサービスが期待できそうです。

また楽天モバイルは、米AST SpaceMobileに出資し、こちらもスマートフォン同士の衛星通信音声通話試験を行うなど、取り組みを進めていますが、具体的な商用サービス開始時期は明らかになっていません。

日本におけるスマホからの直接衛星通信サービスは、来年以降に持ち越しになりましたが、果たしてどのような形で最初のサービスが始まるのか、前述の獣害対策などのニーズからも早期開始が待ち望まれるところです。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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