皆さん、こんにちは。
前回の記事では、MicrosoftのPowerAppsを使った業務アプリの制作例をご紹介しました。
◇前回記事「かんたんアプリ制作Microsoft PowerAppsとは」(2024/11/12)
今回は、そのついでに、データベースの内容に変更があったら自動的に通知を投稿するというクラウドフローを作ってみましたので、それを紹介したいと思います。
これも中小企業様のDXに大いに役立つ内容だと思います。
前回も書きましたが、アプリ開発ツールPowerAppsは、Power Platformというローコード開発ツール群の一つです。
そして今回、自動処理を行うクラウドフローを作ったPower Automateも、Power Platformの一つとなります。
これらはいずれも、Microsoft365 Business StandardやBusiness Basicといった法人用ライセンスがあれば、無料で使用できるツールとなります。
Microsoft365、コスパ最高じゃないでしょうか!?
なお、以前のニュースレターでPower Automate for Desktop(PAD)について紹介しました。
◇以前の記事「低コストで導入できるRPAツール『PAD』とは?」(2023/10/3)
Power AutomateとPADとの違い
今回使ったのはPower Automateで、ちょっと異なります。
Power Automate for Desktopは、パソコン上の作業(デスクトップ作業)、つまりファイルの操作だとかブラウザでWebサイトにアクセスして何らかの操作をするといった作業を自動化するツール。
今回のPower Automateはクラウドサービス上の作業、例えばクラウド上のデータベースに何らかの変化があった場合に通知を行うといった処理を自動化するツールです。
前回記事でSharePointリスト上に顧客リストのデータベースを作り、PowerAppsで作った業務アプリから各営業担当者が自分の担当顧客のデータにアクセスして、営業活動の進捗状況を管理、報告する例を紹介しましたが、今回は同じデータベースを使い、ある顧客への営業活動が完了してデータベース内のデータが「完了済」に書き変わったら、あらかじめ決められた方法で本部に通知が飛ぶというイメージで自動化フローを作ってみました。
Power Automateのクラウドフロー作成
Power Automateには「コネクタ」と呼ばれるクラウドサービスとの接続インターフェースが多数用意されています。
これにより各種のデータベースとか、MicrosoftのTeamsやExcelのようなOfficeサービス、あるいはGmailやSlackのようなMicrosoft以外の各種サービスとも簡単に接続できるようになっています。
今回は、SharePointリストの顧客リスト内で、「対応状況」の列の値が「完了済」に変わったら、そのアイテム(行)の「担当者コード」、「事業者名」、「対応結果」の各列の値を取得するとともに、「担当者コード」に紐づく「担当者名」を担当者リストのデータベースから取得して、それらをMicrosoft Teamsのメッセージに投稿する、あるいはGmailで送信するという2つのフローを作りました。
Power Automateは、PADの解説記事でも書きましたが、変数の設定が数値か文字列かといった設定程度で良いなど、だいたいのことはデフォルト値を決めてくれているので、とても簡単に作れます。
またPowerAppsのときと同様、分からないことがあればMicrosoft Copilot(生成AI機能)に質問すると、適切な方法を即座に教えてくれますので、より簡単に作成作業が進められます。
おかしな日本語に注意!
Power Automateのクラウドフロー作成は、ブラウザ上で行いますが、基本的に英語のサイトなんですね。
私はブラウザにGoogle Chromeを使っていて、Google翻訳機能がアドオンされているので、勝手に日本語に翻訳表示してくれますが、ここでちょっと注意点があります。
例えば変数を設定して、型を文字列に指定するとき、「弦」と書いてあるんですね。
何のことか分からず戸惑ったのですが、英語モードに戻してみると、「string」。
Copilotに質問してみたところ、文字列のことを英語で「string」というのだそうです。
プログラミング用語で、文字列をcharacter stringと呼んでいたものが、いつのまにかcharacterが省略されて、stringと呼ばれているのだとか。
それをGoogle翻訳が単純に日本語訳するので、「弦」になっていたんですね。
同様のことは、例えばあるデータを取得して変数に代入する際の「compose」というアクション(「作成」といった意味)も、Google翻訳の直訳では「作曲」とされるなど、割とあちこちに見られますので、ときどき英語モードに戻して言葉の意味を確認しながら進めていく必要があります。
Teamsやメールに自動通知
細かなクラウドフローの詳細は割愛しますが、結果として、データベースの値が「完了済」に変更されると、上のようなMicrosoft Teamsの特定のチャネルにメッセージを投稿するクラウドフローを作ることができました。
同様にメールで通知することもできます。
Gmailのコネクタを使って、任意のGmailのアカウントから同様の内容をメールで飛ばすことが可能です。
Power Automateで作ったクラウドフローはON/OFFの設定があり、ONにしておけば、常にそのフローは有効となります。
いつでもデータベースが書き変わったタイミングで、通知を飛ばしてくれるというわけです。
OFFにしておけば動作は停止します。
いかがでしたでしょうか。
例えば現在、顧客データをExcelで管理していたり、営業報告をメールやFAXでやっていたりする場合、PowerAppsで作る業務アプリやPower Automateで作る自動化フローによって、業務を大幅に効率化し、管理の信頼度もアップさせることができます。
くどいですが、これらのPower Platformツール群を無料で使えるMicrosoft365、めちゃくちゃコスパが良いと言えるんじゃないでしょうか。
デジタルビズではこういったPower Platformを使った業務改革のお手伝いもさせていただきますので、お気軽にご相談いただければと思います。
それでは今回はこの辺で。
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