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執筆者の写真北島コウ

サービス大改革プラン(上)

皆さん、こんにちは。

実は4月から某企業で嘱託としてお世話になっています。

業務内容は、営業部で、パートナーさんが提供されているサービスや製品を法人顧客向けに再販するビジネスの業務運用まわりを担当する仕事ということだったのですが、開始して2ヶ月もすると、問題点がものすごく多く、このままでは破綻しかねないと感じたことから、運用の仕組みなどを抜本的に見直す「大改革プラン」を作って提案しました。

具体的なことは守秘義務があるため書けませんが、一般的な内容に絞って、今週と来週の2回に渡りご紹介したいと思います。

皆さんのビジネスにおいても、もしかしたら同じような課題があるのではないでしょうか?

参考にしていただければと思います。

事務処理に追われている担当者のイメージ写真

担当業務の概要

この企業では、自社が設備構築して提供する本業サービス以外に、パートナーさんが提供するサービスを再販することにより、商品ラインナップを広げ、お客様がワンストップで幅広いサービスを利用できるようにしています。

このような仕組みを有している企業は多いのではないでしょうか。

私の担当する営業部は、まさにこの再販型サービスを企画・運営する部署となります。

再販するサービスはクラウドサービスやソフトウェアが中心なので、在庫等を持つことはありません。

お客様に対してサービスを販売するのは、全国の営業担当者です。

当部署では、再販するサービス、そしてそれを提供するパートナーさんを選定し、パートナーさんと契約を結び、再販に必要な材料(提案資料とか申込書とか)を揃え、それを営業担当者が活用してお客様に提案できるよう、社内のイントラネットに掲載します。

また販売成立後、お客様からお支払いいただいた料金をもとに、パートナーさんに仕入れ代金をお支払いする運用も行っています。

もともとは販売分析とかパートナーさんとの交渉みたいな仕事が中心というイメージでいたのですが、いざ着任してみると毎日の事務処理が非常に多忙で、またその多忙さがサービス運営の仕組みが全くイケてないことによるものと分かってきて、愕然としました。

変革をイメージさせる写真

サービスの課題点

まずとにかく、事務処理等が全て手作業。

派遣の事務担当の方に全て頼っています。

事務処理の依りどころとなっているマニュアルも分かりにくく、またファイルサーバのいろいろなところに散在しているので、「この作業はどうしたらいい?」と聞くと、「ああ、それはこっちのマニュアルのココに書いてます」みたいな感じで、ものすごく面倒です。

私に言わせれば、あれはマニュアルではなく、単なる「メモ」。

初めて着任した者が読んでも、何がなんだか分かりません。

多数のパートナーさんとの間で、お金の請求や支払いといった間違えることのできない処理を1件1件手作業で行っているため、非常に時間もかかり、また神経を使う作業に毎日追われている状態です。

「毎月、○○の数を集計して、△△部の担当にメールで送る」みたいな作業もありますが、それが本当に必要なものなのか、送った集計値がどのように活用されているかも謎で、これまでの慣行どおりに機械的に続けているだけ、といった処理も見受けられます。

全国の営業担当者からは、毎日多数の問合せが寄せられ、その対応も派遣さんが一次対応し、派遣さんだけでクロージングできないものは、私が対応することになります。

基本的な内容に関する問合せも多く、イントラネットに掲載されている資料が分かりづらいために、よけいに質問件数が増えているように思われます。

また、非常に問題だと思うのが、販売した正確な実績がシステム的に把握できないことです。

多数のパートナーさんのサービスを扱っていますが、売れているならパートナーさんとの関係をもっと強化するとか、売れていないならやめてしまうとか、データを見ながら次に打つ手を考える必要があるはずですが、そうしたことを行う根拠データが取れていません。

パートナーさんとの関係にも、いろいろと課題があります。

例えばあるお客様に値引き販売をしたり、当社がいただく再販手数料率を変更したりする場合には、社内決裁を受けて行いますが、そうした内容は当然パートナーさんとの間で書面等により共有される必要があります。

ところがその内容がパートナーさんとの間できちんと共有されているように見受けられません。

これによりパートナーさんから、個別の問合せを多数受ける羽目になり、これがまた毎日の業務負荷を高めています。

私が担当する業務の課題を箇条書きにした図

抜本的な改革を行わなければいずれ破綻しかねない

いやはや、一応名の通った上場企業なんですが、こんな原始的な処理を行っていることに驚きました。

改善しようとしても、毎日の事務処理や問合せ対応が忙しすぎるため、改善に取り組むことすらできません。

一番問題だと思うのは、全ての業務運営が私のような嘱託社員や派遣さんに任せきりになっており、正社員の関与がほとんどない、放ったらかし状態にあることです。

私もかつて新サービス企画などを担当しましたが、良いサービスに磨きあげていくためには、サービス責任者の「意思」が極めて重要です。

責任者が、良いサービスにしていこうと、現場の声をよく聞きつつ、サービス内容や運営方法の改善を、「意思」を込めて行っていくことにより、営業担当者からも頼られ、お客様にご利用いただけるサービスへと成長していきます。

この再販サービスがまだ3ヶ月前に始まったばかり、などというなら、それは仕方ないと思いますが、このサービスはもう10年も続いているらしいのです。

10年間もこんな状態のまま運営してきたのかと、私には信じられない気持ちです。

このままでは、いずれヒューマンエラーによる事務処理ミスで事故などを起こし、パートナーさんとトラブルになるなど、サービスの破綻になりかねない。

そういった強い危機感を感じましたので、「大改革プラン」を作って提案してみたものとなります。

その内容については、次回にご紹介したいと思います。

こんなこと、嘱託の業務報酬には含まれてないんですけどねぇ。

それでは今回はこの辺で。

 

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