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楽天モバイルの今後を占う(上)

更新日:2023年4月10日

皆さん、こんにちは。

先週は定年退職のお祝いと、新しい事業を始めるに当たってということで、社会人4年目になった娘が名刺入れをプレゼントしてくれました。

とても嬉しいです。

この名刺入れを使って、たくさんの方々と交流できるように頑張っていきたいと思います。


社会人の娘がプレゼントしてくれた名刺入れの写真

さて、楽天モバイルについては、2022年12月期で4,900億円余りの営業損失を計上し、これにより楽天グループ全体としても3,600億円余りの赤字と、苦しい経営状況です。

このためネット上では「モバイル事業を手放したほうが良い」など、様々な野次馬的な意見が飛び交っています。

今回は上下2回に分けてこの話題を取り上げ、通信事業で長年働いてきた立場から、楽天モバイルの今後について考えてみたいと思います。


平成30年(2018年)4月に楽天モバイルに割り当てられた周波数帯(出典:総務省公開資料)
平成30年(2018年)4月に楽天モバイルに割り当てられた周波数帯(出典:総務省公開資料)

4社目の新規参入の意味

まず、楽天モバイルという4社目の通信事業者が参入したことの意味については、高く評価しなければならないと思います。

1985年に、当時の電電公社がNTTとして民営化されたとき、もちろんまだ携帯電話など無く、固定電話しかなかったわけですが、その固定電話で東京~大阪を3分間通話すると、なんと400円もかかっていたのです(基本料金以外に)。

それが第二電電(DDI)や日本テレコムなどの新規参入事業者の登場により、まず3分300円となり、その後も劇的に料金が下がっていきました。

いまや基本料金を支払えば通話料はゼロ円にまでなっています。

料金だけではなく、技術開発やサービス向上の面でも、ここ30年余りの目覚ましい情報通信サービスの発展は、事業者同士がしのぎを削って競争してきたことによるのは間違いありません。

市場が健全な競争環境にあることは、国民に大きな利益をもたらすことを、まさしく電気通信業界では立証したと言えるでしょう。

その意味で、ここ10年ほどの期間は3事業者の寡占体制が続き、無風状態であったところに、4社目の楽天モバイルが参入し、新たな旋風を巻き起こしてくれることで、料金の低減はもちろんのこと、技術的革新やサービスの発展が期待できると思っています。


女性がスマートフォンを操作しているイメージ写真

設備投資に対する見通しの甘さ

楽天モバイルが苦境に陥っている原因は、私は大きく二つあると思っています。

一つは事業計画に対して設備投資が大きくかさんでいること。

楽天モバイルは当初の事業計画で、6,000億円の設備投資で全国カバーを達成することとしていたようですが、これを聞いたとき、私の感覚ではこれはあり得ない数字であり、少なくとも兆円単位の設備投資が必要になるものと予想していました。

携帯電話事業は、24時間365日、警察や救急への緊急通報ができなければならないなど、非常に信頼性の高いネットワークが必要です。

また昨今の技術革新では、極めて短期間での設備リニューアルが必要になります。

電気通信設備の税務上の償却期間は9年に設定されていると思いますが、私の経験ではだいたい5年もすると新しいシステムを導入しなければならなくなり、償却期間が終わっていないものでも捨てなければならない(費用除却を行う)ものが出てきます。

通信事業には本当にお金がかかるのです。

楽天モバイルも、事業開始当初は1.7GHzのLTEで開始したものが、その後5G(NSA方式)を開始し、さらにSA方式の5Gにアップグレードしなければならないと、このわずか5年間の間に2度の新システム導入が必要となっているのではないでしょうか。

おそらくこのようなことがかさみ、当初計画よりも大きく費用が膨らんでいることが、赤字の一因だと思われます。


今回はここまでとさせていただき、続きは後編とします。

では宜しくお願い致します。



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